忍たま乱太郎が最高に面白い理由

以前も書きましたが、僕はウジウジ悩むと言うことがそもそも大嫌いです。あれこれウジウジ悩んだ結果と、何も考えずにとにかく動いた結果は同じだった、という話がある通り、悩むことの多くは無駄だからです。
ましてや、悩んだ挙句に
こんなに悩んでる
こんなに苦しんでる
そんな自分をわかって欲しい
となればもう最悪で、そんなの知らんがな!となってしまいます。
最近の多くの物語構造は実は上記のような感じで、気持ち悪さを通り越して嫌悪するレベルで共感を強制してくるものが多数です。いや、最近のみならず、そもそも日本のいわゆる私小説の構造はこの共感を土台にしているのです。うんざりです。
気持ちを分かれ!(無意識のゴリ押し)
なんなんだろう?と思うのです。断言してもいいのですが、その連中のほとんどは
相手の気持ちはガン無視
なのです。これは物語のキャラのみならず、現に生きている人間ですらそうで、相手のことなど1mmも考えてないのです。そももそ考えてたら「気持ちを分かれ!」とはなりません。僕自身、そういう経験を少なからずしています。察して欲しいというアレですね。
ところで、「共感」という言葉は実は売春を援助交際とかパパ活と言い換えたように、ある言葉を言い換えているのですが、わかるでしょうか?
お分かりの方もいらっしゃることでしょう。そう、それは「承認」です。
すなわち
俺は私は「正しい」
と言われたいのです。実は共感しただけでは不十分なのです。「ああ分かる。で?」ではダメなのです。「そうだよね。辛かったよね。私はあなたの気持ちがわかる。すなわち私は”あなたの味方だ”」とならなければいけないのです。
ちなみに僕自身は前者でして「ああ分かる」までは割と容易いです。理解しようと心がけているからです。しかし理解した後は「で?」となります。それはあんたの考えでしょう?となります。あんたの考えはわかった。ところであんたは僕の考えを分かるかな?それについてはどう思う?となります。
これが当たり前だと思うのですが。
心底気持ち悪いのは「理解=承認」となることです。「理解」は「理解」でしかありません。同様に「共感」したからと言って「承認」とはなりません。例え殺人犯の生い立ちが不幸だったからといって「だから人を殺したことを認める」とはなりません。当たり前のことですよね。世界はあなた一人のものではなく、あなたとそしてその他大勢のもの。みんなのものだからです。一人の意見を「承認」すると、その承認欲求はどんどんどんどん肥大化していき、最終的に
自分一人が正しい
となるのは昨今の多くの事例を挙げるまでもないことでしょう。いや、それだけではなく、そもそも承認を欲する輩の大半はそれを拗らせて最終的に「自分一人が正しい」となってしまう。これが本当に醜悪です。すなわちサヨクのことですが。
さて、題名を挙げるのは差し控えますが、漫画でも小説でもドラマでも映画でも、そんなのだらけです。そもそも日本の私小説の構造がそういう感じで、それが今のサヨクを生み出す土壌にもなっているというのが僕の考えなのですが、それを取り入れた最近のハリウッドの酷さたるや、醜悪そのものでした。ダークヒーローなんてまんまそれです。僕は本当に大嫌いです。だから見ない。読まない。そんな作品が多くあります。そういえば、ダークヒーローの登場にともなってアメリカも狂い始めていったのは偶然の一致でしょうか?
「ジョジョの奇妙な冒険」が素晴らしいのは、それが人間讃歌だからです。主人公は自分を理解しろと強制してこない。むしろ誰がなんと言おうとガン無視で突き進む強さを持っています。ウジウジ悩まないのです。面白いのはラスボスのほぼ全てが「承認欲求の塊」として描かれていること。「俺こそが正しいんだぁあああああああああああ」と言いながら破滅するのははっきり言って「痛快」でしかありません。しかし、そのラスボスですら基本的には未来に対して前向きだったりして、そこにはウジウジ悩む姿などどこにもありません。無駄にひっきりなしに共感を求めてこないその姿勢!
僕の好きな物語はそういうのが多いです。例えば忍たま乱太郎。ものすごく好きな作品なのですが、登場するキャラの全てが個性をしっかり確立しています。そして自分の個性をこれでもかとアピールしてくるのですが、そこには1mmも嫌味がないのです。気持ちいいくらいに清々しいです。
そんなので悩んでいても仕方ないだろ?それより〇〇でもしようぜ!
全てのキャラがこんな感じ。だから素晴らしいのです。
最後になりますが、トランプ大統領はジョジョの登場人物に出てきそうで、僕は大好きです。「なるほど、わかった。しかしそれはあくまでもお前の意見だろう?どっちが正しいか、白黒つけようじゃないか(ニヤリ」
共感すれども承認せず。
トランプ大統領に反感を持つ連中が僕は大嫌いです。その理由が上記なのです。