誰も書かない「ゴジラ-1.0があまりにも素晴らしかったわけ」

ゴジラ-1.0はあまりにも素晴らしすぎました。
文句なしにここ数年の中では最高の映画でした。というより、僕がこれまで見てきた数々の映画の中でも稀に見るレベルで大感動した映画でした。
館内の暗闇のおかげで助かったのですが、僕の涙と鼻水のあまりの凄さに自分でもドン引きしたくらいに感動しましたし、実際に肩が本当に震えるほど感動したと言えば、僕の感動ぶりがわかってもらえるかと思います。
何度か観たら、確かに伏線だという部分は割とはっきりしてるし、ある意味鉄板の脚本だとも思うのですが、無駄に捻りすぎて「どうだ、すごいだろう!」っていう昨今の脚本に比べたら、余計な贅肉がなくて素晴らしいと思いますし、特撮に関してはもはやなんの心配もないレベルなのして、今更「リアルがどうのこうの」という話でもない。
では、何がそこまでこのゴジラを面白くしたのかということですが、僕は確信を持って2点上げたいと思います。
1点目は「昭和感」
設定こそ戦後間も無くとなっているのですが、実はそこで描かれているドラマは明らかに僕の青春時代の典型的王道パターンそのものです。すなわち「誰かのために」と「戦後」です。これをひっくるめると「なんのために生きるのか?」「どうして生きるのか?」ということ。
特攻から逃げ、ゴジラから逃げ、そして女性からも結婚からも家庭からも逃げた。しかし、散々逃げ続けた男に対して「なんのために生きるのか?」「どうして生きるのか?」という問いかけがずっと続くのです。男は弱いので、散々もがき苦しみ傷つく。そしてそれが周りをも傷つける。まさに典型的な昭和のヒーローそのものです。逃げて逃げて逃げ続け、もうこれ以上逃げられないとわかって、それでようやく答えを見つけるというのもまた典型的な王道パターンですが、それっぽく言うならジョーゼフ・キャンベルが「千の顔をもつ英雄」で明らかにした英雄像そのものだし、神話や物語に出てくる英雄の冒険談そのものでもあります。
つまりゴジラ-1.0は実はヒロイックファンタジーなのです。主人公が最後に死の世界から帰還するのもまさに英雄パターンそのもの。旅を終えた英雄が「女性の元」で安らぎを得るのもまさに王道そのものです。
2点目は「女性がしゃしゃり出ない」
僕は昨今の物語の大半にうんざりしています。というのも、女性がそんなに強いわけがないからです。テストステロンが男性の10分の1もでない女性に相手を倒そうとする闘争本能があるわけもなく、実際に男を倒すパワーがあるわけもない。知力は同等?そんなわけがありません。そもそも男女は物理的に平等であるというチューニングがされてないからです。体つき、ホルモンバランス、全く違いますよね。そこから特徴づけられる性格もまるで違います。戦争、テロ、暴力で真っ先に狙われ、傷つくのは女子供。事実は雄弁なのです。
男性の中では最下位のような野郎であっても、女の群れの中ではぶっちぎりのトップ。心は女性なんて抜かすダメ男の後塵を拝するのが女性なのです。馬鹿にしているのではなく、これが現実。スポーツの世界のみならず囲碁や将棋の世界でもそう。あまたある競技がなぜ男女別なのか。バカでもわかる話ですが、最近はバカが多いのでわからない話なのかもしれませんね。
つまり、男女は全く別物で、役割が違うのです。
ゴジラ-1.0ではその線引きがちゃんとできていました。女性がしゃしゃりでることなどまるでなく、戦いは男性任せ、そして家庭は女性任せ。それが明確に分かれていました。
だから女性は弱いのか?
全然。全くそんなことはありません。
女性だって皆必死に生きて、そしてその得意の共感力で男たちを支えていましたよね。苦しみに悶える主人公の苦しみを自分にも分けてほしいと願うヒロインに涙する人も多かったですよ(僕の周りでも明らかに泣いている人多数いました)。その姿は典型的な昭和のヒロインそのまんまでした。自分の身を挺して主人公を守る姿はヒロイン以外の何者でもありません。
格闘で男性と互角以上に渡り合うとか、知的な駆け引きで相手を手球に取ると言った
いかにも嘘くさい
女性キャラなど一人もいなかったし、だからこそ物語にも嘘臭さがなく素晴らしい出来になったのです。シンゴジラも確かに面白かったのですが、あのアメリカ政府の女性キャラははっきり言って不要でした。
ゴジラ-1.0には不要な女性キャラが出てこないのです。しっかりした骨太の物語になったのは、嘘くさい女性キャラが出てこなかったからなのです。
沈黙の艦隊も面白かったのですが、別に女性キャラじゃなくてもいいのに女性キャラにしてしまうという昨今の物語あるあるによって、やっぱりある程度の緊張感が削がれてしまったのは確実でしょう。
女がいい悪いではないのです。
どれだけ取り繕っても、全くもって全部嘘くさい。「男性と互角」をアピールする女キャラには全く説得力がないのです。
というわけで、ゴジラ-1.0が素晴らしい作品となった理由を2点挙げてみました。
本当に面白かったです。僕はすでに何度も観てます。特に「昭和感」が好きな人には自信を持ってお勧めできます。安心して劇場に足を運び、そして涙と鼻水で顔をベロベロにしてください。