神居古潭での恐怖体験

以前このブログで、神居古潭で鹿と遭遇した話を書いた気がするのですが、これは書いていないのではないかと思うので、仮にどこかで書いていたとしても、改めてということで書いておきたいと思うことがあります。
そうそう。本題に入る前に書いておきたいのですが、旭川まではそれまで自転車で何度か往復していて、そのうちの一つは動画を撮ってYouTubeにアップしたのですが、苦労した割には散々な視聴数。笑
けど、個人的には大変充実していました。動画の撮影中はわざと延々愚痴ってみたりなどして「こうしたら面白いかも」なんて小細工までした結果はひどいもんでしたが、動画を回してない部分では本当に楽しくて、今にして思えば、やっぱり楽しい気分をそのまま動画にすればよかったなぁと大反省。
小細工は見破られるってことですね。
というわけで本題ですが、最初に自転車で旭川に向かった時のことです(当然この時は撮影なんてしまいません)。
当然土地勘もないし、感覚も掴めないし、楽しみながらもおっかなびっくりの自転車旅でした。当時はまだ怖いもの知らずだったので、熊のことなんて全く考えなかったし、ただひたすらに旭川を目指してペダルを漕いでました。とにかく見知らぬ土地、見知らぬ道、何もかもが楽しくて。
北海道にはカントリーサインがあったので、特にiPhoneでマップをチェックすることもなく、カントリーサインでもって「ああ江別に入った!」「へぇ砂川かぁ」などと確認するだけで、あとは完全に道任せで向かい風に煽られながらもペダルを漕ぎまくったのです。
そうこうしているうちに午後となり、あるトンネルに入ったのですが、歩道がものすごく狭いのです。幅にして60cmもない感じ。これは狭いなぁ。にもかかわらず非常用の電話が設置されていたりして、いかにも古いトンネルに急拵えで設置した感ありありの違和感。僕は自転車を降りて、そして自転車を押してトンネルに入ったのですが、歩道を歩く僕のすぐ脇をものすごいスピードでトラックが走り抜けていくのです。国道12号線なので当然のことなのですが、もうひっきりなしにトラックトラックトラック。前述の電話機は壁に設置されていたのですが、ボックスタイプで壁から出っぱっていて、その出っぱった部分は歩道に迫り出していて、その部分だけ歩道はさらに狭くなっていました。けど、そんな状態でもトラックはひっきりなしにビュンビュン走っていくのです。
これはなかなかに怖い。
まあけど、そういうのは自転車の旅には付き物だし、別に気にもしていませんでした。
さて。往路は特に何事もなく旭川につき、そこでもあれこれ楽しんで翌日。復路でまた昨日のトンネルに差し掛かった時のことです。
やっぱりものすごいトラックトラックトラックだったのですが、ちょっとした下り道にもなっていたし、自転車には勢いもついていました。
このままトンネルに入っても大丈夫か?
と一瞬考えたのですが、えいやとばかりに僕は勢いのまま自転車に乗ったままでトンネルに入ってしまったのです。もちろん歩道を走りました。その方が安全だと思ったからです。何せトラックがひっきりなしに走ってましたから。
しかし甘かった。
あの電話ボックス。
壁から出っぱっていた電話ボックスに差し掛かった時です。勢いのまま避けていけると思ったのですが、避け損いました。
わ、ぶつかる!
その瞬間!ハンドル操作を誤った僕は車道にはみ出し、そして盛大に転んでしまいました。
僕は思いました。
死ぬ!
何せトラックがひっきりなしに走ってるのです。あんなものに轢かられたら死ぬ。しかもひどい有様で死ぬ。こんな狭いトンネル内でブッ転んでしまったのです。もう間に合わない!思わず体に力が入りました。ぐっと唇を噛み締めた気もします。
………
あれ?
振り向くと、車の姿は見えず、反対車線はトラックがひっきりなしに走っています。
何も…来ない…
僕は体を起こして自転車を確認してまた歩道に戻りました。するとようやくトラックのライトが見えました。それからはまたひっきりなしに走ること走ること。車列が途切れずどんどん走っていくのです。
それを見て震え出す僕。
そのあとはもう本当にゆっくりと慎重に自転車を押してトンネルを抜け出ました。
怖かったですよ。というか、タイミング次第では僕はこんな記事を書くこともできなかったことでしょう。
場所は神居古潭にあるトンネル。神居古潭は心霊スポットらしいのですが、僕はそこでまさに
九死に一生を得る
ような体験をしたのでした。