神話の力

YouTubeには本当に感謝しています。その昔、見て感動したこんなものまでアップされているのです。

YouTubeなのでコンプリートというわけにはいかない場合があって、例えば今日(令和3年5月22日)現在検索すると、第一回については通しでアップされている動画はないのでして、上記のような分割でのアップとなっているのですが、僕はかなり以前にNHKでも見たし、YouTubeでも全部見たし、当然本も買って読みました。

神話の力
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まさにこの表紙!いいですよね!

たびたび自分のブログで言及しているユングですが、ユングから派生してジョーゼフ・キャンベルに行き着くのは必然だし当然のこと。

ジョーゼフ・キャンベル自身がユングに言及しているし、何よりも、ユングの提唱した集合的無意識の応用範囲はかなり広く、むしろある種の万能感すらあるのです。

世界の神話を比較研究すると、そこには驚くべき一致が多数見られるというのは、まさにユングの集合的無意識論なのであって、そこに登場するヒーローヒロイン、脇役の役割などは決まった一定のパターンを持っている(こちらは元型理論参照)というのは、ユングの理論の補完的な役割も持っていて、だからなおさら刺激的。

俺には私には関係ないと思われるかもしれませんが、今日作られる物語の構造やキャラ造形は、乱暴に言うなら、このパターンを応用した形で作られているものばかりであって、さらに乱暴に言うなら、創作の参考書的なものは大抵、思想的バックボーンに意識的無意識的に上記理論を応用しています。例えば

萌えキャラ

なんてその際たるもの。あざとすぎ、ワンパターンすぎと思う人も多いかもしれませんが、それでも受けてしまうのは、そこに集合的無意識の作用が働くからというわけなのです。

  

ジョーゼフ・キャンベルは流石に萌えキャラには言及してしませんが、ヒーロー像については深く考察しており、

千の顔をもつ英雄
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こちらは上下巻ありますが、いずれも必読。今読んでもほんとに面白いです。むしろこれらを読んだ後で、ざまざまな神話なり、あるいは聖書などを読むと、さらに面白さがますというもの。

ヒーローの生い立ちや旅立ち、苦難、そして栄光やその後などのパターンに対する考察はいやもうほんとに面白いっすよ!

そもそも、今のように物語がありふれている時代ではない神話の時代の物語というのは、まさに濃い部分、抽出されたエキスだらけなのであって、だから僕は歴史においても古代が大好きですね。

神話も色々なものがあって、たくさん読みましたし、そのどれもがほんとに面白いのです。物語としてハズレがないのが神話とも言えます。

今風の物語に飽きたら、ぜひ神話を読んでみてください。

ほんとに面白いですから。