恐山で一晩過ごしたらどうなるのか?
恐山はこちら
青森県むつ市から県道4号線に乗り、少し走ったところにあるのです。正確には恐山菩提寺というところで車から降りて、あとはえっちらおっちら散策するのですが、大抵の場合、恐山といえば恐山菩提寺のあたりを指すと言っても問題ありません。言い直すなら、恐山菩提寺のあたりが恐山なのです。
学術的には違うとか色々あるとは思いますが、僕や僕の知ってるむつ市の人はそういう認識でした。
そんな恐山は日本三代霊場の一つと言われるだけのことはあって、それはそれはものものしい雰囲気で、なんとなくこの世ではないような異様な感じがして、地元民でも行くのが憚られる……
とはおそらくは誰も思ってなくて、じゃあ地元民が真っ先に思うのは何かというと「あそこは硫黄臭い」
これは酸ヶ湯にも言えるのですが、割と活火山の多い青森県は、ちょっと山に入ると硫黄臭いなんてことがよくあるのです。実際、県道4号線はむつ市から山に入っていくと、もうあからさまに硫黄くさくなるし、その濃度がどんどん濃くなっていくのです。
僕もかなり走ってますが、本当に硫黄臭いのです。道の途中からうねうね道があるのですが、そういうところを走っていると、あちこちに地蔵さまがあって、いかにも雰囲気満点なのですが(特に夜は)、そういうのを除くと、とにかく硫黄の臭い、これがものすごいインパクトなのです。
さて、うねうねを通り越して恐山菩提寺に着くと、なんか違和感ある正面入り口があって、恐山菩提寺の目の前には宇曽利湖が穏やかに広がっているのです。
正直に書きましょう。
風景的には実に殺風景です。
風光明媚とはお世辞にも言えない。そんなところです。
そしてこの恐山菩提寺。ただではないのです。お金がかかります。五百円だそうです。せこい話ですみませんが、僕はこのお金が払いたくなくて、だから実は恐山菩提寺に入ったことはありません。
今にして思うと、自分のせこさに我ながら衝撃を受けるのですが、当時は「どうしても五百円の価値が見出せない」なんてふざけたことを考えてしまっていたのです。
さて、タイトルに書いた「恐山で一晩過ごしたらどうなるのか?」ですが、当然のことながら、上記のようにお金を出すのが嫌で実質恐山の中に入ったことがないので、答えは「わかりません」となります。
がしかし、恐山菩提寺の駐車場なら、一晩過ごしたことがあります。
夜中に車で下北半島の山奥を走っていて、疲れたから休みたいと思い、「そう言えばこの近くに恐山あった!」などと思って行ったのです。当然人影もなく車もなく。
ポツンと僕の車だけ。
そして疲れて眠かった僕は、そのまま車中泊。基本的にはいつでも車中泊スタイルなので、車には寝袋が常備されていて、夏の終わりの頃だったので、すぐさま後部座席に移って寝袋に入りました。
なーんにも考えずに。ラジオからは楽しい会話が聞こえてくるしね(ポータブルラジオも実は常備していました。もちろん車中泊用です。ついでに電灯も。エンジンつけっぱなしは色々危ないので)
そしていつでもどこでも基本すぐ寝るタイプなので、あとはあっさり入眠。
朝起きて寝袋から出て思ったのは
殺風景な景色だなぁ
僕って罰当たりなのかな?
あのちなみに、何も「僕は豪胆で怖いもの知らずアピール」したいわけではないのです。なんなら僕はものすごいヘタレだし、暴力団とかヤクザとか半グレとかとまともに対応できる自信なんてこれっぽっちもないし、すぐ逃げるタイプですよ。
ただ、一番怖いのは人間だと思ってるので、それに比べたら、オカルトやら心霊現象なんて、半分以上は脳が勝手に作り出した現象だと思っているのです。
ものすごい興味はあるのに、例えば幽霊を見ることができないとか、心霊スポットに対してものすごく鈍感だったりする自分が勿体無いとか思うのですが、にしても恐山菩提寺駐車場で車中泊をした時には、本当に何もなく何も感じず、朝起きた時に見た、ただただ殺風景な景色にがっかり感しかありませんでした。
怖い思いはしたくはありませんが、車中泊で怖い思いをしたのは、お巡りさんに職質受けた時だけです。
でも、それは怖いというのではなく、驚いたということか。苦笑
というわけで、それっぽい体験談が書けない自分がちょっと悔しい今日この頃。