スタンリー・キュブリックという天才芸術家

最高のドキュメンタリー!

今の映画を腐すわけではありませんが、スタンリー・キュブリックの映画は、質がもう違いすぎるとしか言えないのです。

この時代年代に生まれた僕は幸せだと思います。

こんなに素晴らしい映画をある程度リアルタイムに観ることができたからです。

僕の中での映画の最高傑作は文句なしに「2001年宇宙の旅」だと言い切れます。これほどまでに素晴らしい映画はもう2度と出てこない。

映像は完璧!

物語は誰にも媚びずに重厚!

何度観ても新鮮!

まさしく「アート」です。これがアート。そして真のアートを知ると、どうしても他に対する見方が辛くなってしまうのです。だから僕の映画遍歴は90年代あたりから本当にストップしてしまいました。宇宙戦艦ヤマトのリメイクとジンゴジラ以外では映画館に足を運んでないのがその証拠です。

  

素晴らしい映像というものにはいつも魅了されます。

しかしながら、どこを切り取っても素晴らしい映像というのは、実は今のテクノロジーでは作れないと僕は思っています。なぜならそれは人の想像力を頼りにして作っているから。もちろん「不気味の谷」現象で説明できることもあるでしょう。しかし、どれだけテクノロジーが進歩しても、おそらくは真に素晴らしい映像というものは作り出せないと思います。あるのとないのとでは全く違うのです。

ではキューブリックの映像はどうか?

凡百の映像と何が違うのか?

キューブリックは、そこにあるものを写したのです。その時の最高の技術で。2001年宇宙の旅ではものすごい精巧な模型が使われました。だからこそ素晴らしいのです。CGではないから素晴らしいのではなく、そこにあるものを撮ったからこその素晴らしさなのです。

ちなみに、シン・ウルトラマンで最高にがっかりしたのが、怪獣がCGだったこと。

本当に僕はドン引きしました。

そういう表現手法は間違っているのではないかと僕個人は思います。

そこにないものをいくらリアルに映し出しても、ないものはない。

逆に言うなら、

そこに本当にある、いる

これが表現できたら、まさにキューブリックの域に到達できる!のだと僕は思います。違う視点で言うなら、着ぐるみ怪獣の何がすごいのか、なぜこうも魅了するのかというと、

そこにいる

からなのであって、存在しているものだからです。着ぐるみであっても圧倒的な存在感は、実際にそこに存在しているからこそ出せるもの。映画の素晴らしさは「存在しているものを映していること」なのです。

漫画やアニメは「想像力の拡張」

映画は「存在するものを映像として切り取る」

全く違うジャンルだと僕は思っています。そういう意味では今、映画と呼ばれているものは実は全部が長編アニメ。

僕は映画が観たいのです。