白蛇を見た話

かなり前の話なのですが、帯広市に初めて行った時のことです。
予め予算を組み、宿を予約し、けど日数は割けなかったので、時間的にはキツキツでして、だから急ぎ旅。というわけでいつもは使うことのない高速を使い、夜の道東道をグイグイ東進しました。道東道は片道1車線なのだとこの時知ったのですが、とにかく夜道と雨の視界不良の中をひたすらに進んだのでした。
とはいえ、トマムの巨大なツインタワーに「おお!」と感動し、運転に集中というよりバカ話に集中し、そしてどこで降りたかは忘れましたが、「ここじゃない?」と言われたので高速を降りたのです。もう少しで帯広の看板。
さて、僕はずっと運転してましたが、連れと馬鹿話をしっぱなしで、だから気分はノリノリ。お互いにゲラゲラ笑いながら一般道を走っていて、ふと気づきました。
あ、さっきの道曲がるんだ!
予めGoogle Mapで道を見ていたのですが、馬鹿話に熱中してすっかり忘れていたのです。
慌ててUターン。で、ええっと、確かにこの道を……
などと考えているときに連れが
「あ!」
「今の見た見た?」
と素っ頓狂な声をあげたのです。ん?僕は何が何だか分からず。
「今ね、白い蛇が道路にいたんだよ。」
なんと!
どこだどこだ?
あちこち見たのですが、結局見ることができず。
白い蛇って縁起ものではないか!ということで、とても残念でしたが、けど連れが見ているので、連れが幸運になったら僕にもお裾分けがもらえるはずなので、特に問題なし。
というわけで、白い蛇を見た話は僕ではなく、連れの話でした。
ちなみに、僕の母も白い蛇を見ているのです。なぜ僕は見ることができないんだろう?日頃の行い?
話はそれだけ。そしてその後の旅もずっと雨でしたが、虹を見ることができたし、楽しい旅でした。


