杉沢村伝説は嘘だけど、八甲田の実力はそんなものではない

結論から言って、そんな村はないし、伝説もないし、怪談話も、それに類する話もないし、だから心霊スポットでもないし、物騒な話もないという無い無い尽くし。それが杉沢村伝説です。

詳しくはこちら。一番よくまとまってます。

ネットで話題「青森杉沢村伝説」
https://web.archive.org/web/20080225174014/http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2000/nto20000903.html

というわけで、この村自体は単なる与太話ではありますが、この話の元となった集落があった八甲田(正確には八甲田の麓ですが)は、巨大な心霊スポットとして有名です。巨大と書いたのは、この八甲田、よく八甲田山と呼ばれてはいますが、実は八甲田山という山はなく、火山が集まった火山群である「八甲田連峰」の総称なのでして、その中には十和田湖も含まれており、青森県の南部にドーンと広がる、まさに巨大な地域なのです。

そして、その至る所が心霊スポットだったりするのです。自殺の名所として有名な城ヶ倉大橋。当時の軍隊がさまよう姿が目撃されている雪中行軍遭難記念像。死体があがってこないことから自殺者も多い十和田湖。火山性の有毒ガスがあちこちから出ていて、たまに訓練中の自衛隊員が亡くなったり、つい最近では謎の119番通報事件もあったりします。

つまりは色々と物騒な地帯なんですね。物騒といえば、走り屋さんもよく出没し、路面にタイヤのあとがたくさんあったりもするのですが。

さて、そんな物騒な八甲田。僕は本当に頻繁に夜中に走ってました。

怖いもの見たさではないのです。理由は簡単で、仮に青森から八戸に向かうとします。一番近いのはどのルートかというと、八甲田を突き抜ける青森田代十和田線が一番効率がいい。夜になるのは仕事終わりに走るからなのでして、要は走りたくて走ってたのではなく、走らざるを得ないから走っていたんです。

というわけで、散々走った八甲田ですが、結論から言って

ただの一度も心霊体験はしていません!

が。

不思議なことを体験したのは何度かありますので、今回はそれを書きたいと思います。

 

1、正体不明の物体がフロントガラスに激突

書きにくいのですが、八甲田はもちろん山道で、だから車で走るのはとても楽しいのです。夜ともなれば交通量もものすごく少なくなるし(対向車が一度もないままに八甲田を通り抜けたこともあります)、ウネウネグネグネした道はいかにもそそられるのです。けれど、僕は走り屋ではありませんし、貧乏だったのでタイヤをすり減らすようなそんな無駄な走り方はしたくなかったこともあって、無茶はしませんでしたが、それでもそれなりのスピードで走ってました。

とある場所に差し掛かった時のこと。

両脇が山林で、かなり鬱蒼とした場所なのですが、それなりのスピードで走っていた僕の車のフロントガラスに何かが猛然と突っ込んできたのです。

がん!

ばさっ!

まさしく一瞬の出来事でした。

ヤバイ!なんかとぶつかってしまった!と思い慌てて車を止めてあたりを見たのですが、当然なんの気配も感じません。夜なので当然車から外には出てません。フロントガラスを見ると、ぶつかった跡は全くなく、車内にはAMラジオ(僕は基本的にAMラジオしか聞かなかったのです)が流れています。

なんだったんだ?今だにわかりません。

 

2、踏んだのに踏んでない

また別のある日。うねうね走ってたら、目の前にネズミらしきものが突然現れたのです。間に合わない!と思いつつブレーキを踏んだのですが、その途端

バン!

というすごい音が。やっちまった!初めて動物を踏んでしまった!

ものすごい罪悪感というか、あの感じは今でもじとっと汗が出てくるなんとも嫌な感じなのですが、とりあえずブレーキをかけて停車。申し訳ないと思いつつ車をバックさせて、潰してしまった現場に戻ったのです。血とかすごいだろうな。悪いことしたな。これが人だったら、僕は刑務所行きだね。………。

ずっと車をバックさせたのですが、どういうわけか、バックしっぱなしでかなりの距離を走ってしまいました。というのも、

血の跡も、ぺしゃんこになってる動物も、全く何もないのです。

あれ?通り過ぎてしまったかと思い再度前進させるも、それらしきものは見当たらず。文字だから「バン!」って書いても程度がわからないでしょうけど、実際はものすごい音だったんです。乗っかった感触もあったし、潰してしまったという感触もありました。それなのに、何度確認しても、それらしき場所がないのです。どのくらいその辺りをうろうろしたのかわかりませんが、後続車がやってきたので、路肩に避けてやり過ごし、そしてそのままその場を離れました。

翌日の日中に念のためにそのを走ったのですが、やっぱりそれらしきものは見当たらず。

なんだったんだろう?………。

 

3、謎の大量発生

雨が降っている夜の八甲田を走った時のこと。

とある場所に差し掛かった時に、

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

ものすごい破裂音がしたのです。というかし続けたのです。なんだなんだなんだと思って車を止めたのですが、原因はすぐにわかりました。大量のカエルが発生して、文字通り道路を埋め尽くしていたのです。なんだこりゃ!

これには本当に困りました。ゆっくり走っても、早く走っても、とにかく

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

なぜなら道路一面がカエルだらけだから。ひゃあやめてくれ勘弁してくれと、元の道に引き返そうと思ってバックすると

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン

ぎゃー!もうやめてくれー!

けど、ここに止まっていても埒が明かないよー!

結局腹を括ってバックで走り唐突に炸裂音終了。遠回りをして帰ることにしました。

一番怖かったです。カエルさんごめんなさい。

そんな僕の八甲田体験でした。本当に怖かったよー

地獄沼からの八甲田。絶景でしょ?