甘酸っぱくほろ苦いという形容がぴったりな映画「フレンズ」

まさにこのハヤカワ文庫版を読みました

 

ルイス・ギルバートといえば007の監督として有名ですが、僕にとっては「フレンズ」です。

ハヤカワ文庫で原作を読んだのがきっかけで映画も観たのですが、本と映画のどちらも、なんとも甘酸っぱくほろ苦い作品でした。

あまりにも幼い子供であるポーツとミッシェル。その二人が無理やり大人の世界に飛び込むことの危うさをしっかりと描いています。この手の作品はどうしても「セックス」が目につきやすい(若かりし僕もそうでした)のですが、おっさんになった僕が改めて観ると、むしろセックス(性)は控えめにすら映ります。それよりも、大人の世界の残酷さというか、世知辛さというか、こんな世界に生きるってことは大変なことだなとしみじみ感じました。

でも、僕はすごく肯定的にこの作品を捉えています。やっぱり良いものだと思います。若さがうらやましいなぁと思います。僕もそういう経験がしたかったとすら思います。
幼いながらもしっかりと生きようとするのを否定的に捉える気にはなりませんし、幼いからこそできることだろうとも思います。

生きていればどうしても純粋ではいれらないけど、純粋なことには憧れがあります。だからきっとフレンズはなんとも甘酸っぱくほろ苦い作品たと感じたんだろうな。

ちなみに続編は見ていません。観る気になれないのです。僕の中ではフレンズは映画の終わりとともに終わり。そんな感じです。

 

おそらくですが、人は自分の青春時代に観たもの聴いたもの読んだものが一番素晴らしいと感じるんじゃないでしょうか。僕は70〜80年代の映画が最高だと思っています。90年代以降の作品にはなぜかほとんど共感しません。だから観る機会、聴く機会、読む機会がガタンと落ちました。あれだけ読書家だった僕が、ほとんどただの1冊も本を読まなかった年すらあります。

このブログやYouTubeで紹介しているのも、その大半は70〜80年代の作品なはずです。そして今でもその年代のものばかり何度も何度も繰り返して観たり聴いたり読んだりしています。

おかげで今の作品がわからない。

でも、むしろわからなくても困らない。

観たいもの、聴きたいもの、読みたいものは70〜80年代の中に必ずあるから。

甘酸っぱくほろ苦い作品が観たくなったら「フレンズ」を観ればいいのです。今のような鮮やかなフィルムではない、色あせた映像なのに、それはものすごく輝いてみずみずしく、僕の心を魅了するのです。

エルトン・ジョンの音楽に乗って、まさにセンチメンタルな物語が進行していくフレンズ。

観てない方は是非とも。

 

そうそう。結婚に必要なものは愛ですよ。金は結婚に必要なものではなく「人生」に必要なものです。人生は金がないと大変ですが、結婚はしなくても問題ありません。

だからこそ結婚するためにはどうしても愛が必要なのです。

言い換えるなら、人生を豊かにするためには愛が必要なのです。