AV女優 桜井望さん変死事件

良い子ぶるわけではなく、AVは本当に観ないのです。理由は簡単で

・喘ぎ声がうるさすぎる&わざとすぎる
・体位が「見せる仕様」になっている(実際にあんな体位でやっても辛いだけ)
・単純に見せ物として面白くない

もっとはっきり書くと、当時の僕には相手がいたのでそもそも見る必要がないという、あまりにも身も蓋もない話なのですが、だから桜井望という名前も知らなかったのです。

しかし人生とはなんとも不思議なもので、彼女の変死事件を知ってから「どういう女優だったんだろう?」と思ってAVを借りてみたという、おそらくは通常のパターンではないパターンで知ることとなったのでした。

事件そのものは(この手の話が好きな僕から偉そうに言わせてもらうと)そこまでの話ではないと思います。詳しくは検索して各自で見て貰えば良いのですが、結論から言うと、単に「警察の捜査が甘い(と感じる)」だけにしか思えません。そもそもAV女優という肩書が話題性を煽っているのは否めないし、だから僕を含めて多くの人がネタとして扱っているのですが、では「AV女優という看板を外してもう一度読んでみて」ください。

すると、ある種の陳腐さを感じるのは僕だけではないはずです。

もちろん殺人に陳腐もクソもあるか!と思われる方もいるでしょう。その通りです。人が死んでるのだから。

 

未解決事件の特徴は「何が起きたのかがどうしてもわからない」という、この一点に集約されます。

変死事件や怪死事件の特徴は「個人が予想する状況・状態とは違う状況・状態で殺人が行われている」ことであって、何が起きたのかは概ねわかっています。そして、変死事件や怪死事件の最大の特徴は「警察の怠慢(と思える状況)」です。

つまり、警察が適切に動いていれば、解決できたのではないかと(思える)ことにあるのです。

この事件から「AV女優」をいう文字を消して、今一度、読んでみてください。

 

AVというのは普段は見せることのないところや行為を見せることで成り立っている商行為です。なので、何かとセンセーショナル(人々の興味や関心を引きつける)でなければなりません。しかし、一方で僕は性行為を「どう見るか」で、全然考え方は違ってくるのではないかと思っています。

性行為を「悪いもの」だと無意識的に思っているのと、性行為を「人間だから当たり前、心地いい好ましいもの」だと思っているのとでは、やはり上記の事件に対して感じることに大きな違いを生じさせると思うのです。

性行為を「悪いこと」だと思っている人は、性行為にネガティブなイメージを抱くことでしょう。そして「こんな仕事をしているからには何かあるに違いない」と思いがちです。実際にそうかもしれません。

バキュームカーでうんこを汲み取る仕事をしている人を考えてみてください。

おそらくは

大変だなぁ
きついだろうな
好きこのんでやってるわけじゃないだろうなぁ

と思うことでしょう。決してうんこの汲み取りが悪いことだとは思わないですよね。影で頑張ってる人を馬鹿にするのは、日本人としてはちょっと難しいことです。だから裏読みもしない。「あの人は実はうんこが好きだ」なんて思いもしない。まあそんな人はいないと思いますが。

人のしない仕事、おいそれとできない仕事に対しては、概ね人は寛容だと僕は思います。

ではAV女優はどうか?

というと、これに関しては「飲み屋の姉ちゃんの延長上」にあるのではないでしょうか?

いいから一発やらせろ!
けど、こんな仕事いつまでもするな!

ではないでしょうか?まさに商売女とセックスした後で説教する親父そのものですが、実は多くの人がその説教親父的思考でAVを見ているのだと僕は思います。大前提として「性行為は悪いこと」だと無意識的に思っていて、だからそういうことをする女性には「何か裏がある」と思っているのではないでしょうか?

今回取り上げた、AV女優 桜井望さん変死事件は、上記のような心理的な土壌があったがゆえに、ありきたりな事件が「意味もなく」大きくなってしまったのではないかと僕は思います。

こんな仕事をしているからロクでもない目に遭うんだ

的なね。でも、AVを見ない、AV女優に全く興味のない僕からすれば、それは単にニュースとしての「殺人事件」でしかないのです。変死とも怪死とも思わない。

逆に言うなら、普段ニュースになるような殺人事件の中には、よ〜く調べたら、実は状況・状態が異常としか思えないような事件がたくさんあるのではないかと、僕はそう思っています。そしてそれが書きたくてこの事件を取り上げてみたのでした。