エクソシストの本当の怖さ

エクソシストは1973年公開のホラー映画で、当時の興行収入一位を獲得。独特の音楽やショッキングなシーンで日本でも話題を呼びました。僕はといえばまだ幼くて、リアルタイムでは観ていません。が、例えば8時だよ全員集合!などでこの映画のパロディをしたりしていたのを見てたことから、そういう映画があるのだということは知ってました。
このエクソシストをちゃんと知るのは中学生になってから。実は映画より先に小説を読んだのです。あまりにも面白くて何度も読み返すうちに本はボロボロになり、そしてあえなく落丁。ちなみに僕はよく本をボロボロにしてまして、好きな本は大抵の場合落丁する羽目になってしまいます。困ったものですが、それだけ読んだということで許してください。
そこまでして読んだのだから、当然映画も見たくなり、当時で始めたビデオでちゃんと観たのが、この映画を観た最初でした。
いやはや怖かった。
悪魔って怖い・・・
ノストラダムスの大予言やヨハネの黙示録を「信じていた」僕なので、当然悪魔も存在するだろうと思ってましたし、だから「こんなのに取り憑かれたらヤバい!」なんて思ってました。笑
当然のことながら、予言なんて当たらず、黙示録も来なかったわけですが、その頃には僕もさすがに多少は分別がついていて、「んなことあるわけねー(薄ら笑い」とすっかりしらけ切ってまして、それどころじゃねぇ!という塩梅で社会人として仕事に励んでいたのです。黙示録とかより仕事だよねと。
エクソシストについても「雰囲気はいいし面白いけど、怖いかと問われたら、別に怖くないよなぁ」という感じ。
そんな感じで時はすっかり流れて、最近になって、偶然というか、たまには観たいという気分になって、またエクソシストを観ました。具体的には昨日です。そして思いました。
怖い………
本当に怖かったのです。何がそんなに怖かったのか。
それは
話が通じない存在
です。世の中には「話が通じない」人がわりといます。自分が正しいと思い込み、自分以外はバカだと思っている人が本当にいます。なまじ自分が正義なものだから、そんな正義の自分は「何をやってもいい」という思考になってます。実際にそういう振る舞いをしています。相手をバカにし、レッテルを貼り、自分の気に入る答えを相手から出させるために恫喝をし、暴力を振るう。
僕は思いました。
まさに悪魔そのものじゃないか!
と。
悪魔に話は通じない。しかし、神父はその悪魔に対して「言葉で立ち向かわなければならない」。
この絶望感たるや。
実際に映画では話が一切通じない悪魔に取り憑かれた少女を(ボクシングのトレーニングをしている)神父が渾身の力で殴り倒すシーンがあります。話し合いの限界。いくら話しても悪魔は少女から離れてはくれないのです。そして結局は力で相手に対峙し、そしてともに滅びるのです。もしも最初から神父が言葉ではなく暴力で相手と対峙したらどうだっただのだろう?
考えさせられました。
この年になり、ようやくエクソシストの「本当の怖さ」を知った気がします。また悪魔の正体も垣間見た気がします。
ちなみに、以下、有名な「エクソシストの階段」
間違っても転げ落ちないように。