ディアトロフ峠事件をおさらいする

札幌は一昨日からすごい雪です。それまでの雪のなさが一変しました。まるで神様が帳尻合わせでもするかのように、一気に「例年の札幌」の雪景色になった気がします。

ものすごい雪ですよ。

それにしても降ったなぁ。いきなり道路は狭く凸凹。どうせなら降らないで欲しかったのですが、降ったものは仕方ない。雪片付けが大変です。

ところで、そんな大雪ともなると思い出さずにはいられないのがディアトロフ峠事件です。

ディアトロフ峠事件とは現ロシア、当時のソ連で起こった不可解な事件のことです。場所はおそらくはこのあたり。

 

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1959年2月2日なので、まさに今時分。ホラート・シャフイル山という山の斜面で、男女9人が不可解な死を遂げたというものです。wikiから要点を拾ってみます。

当時の調査では、一行は摂氏マイナス30度の極寒の中、テントを内側から引き裂いて裸足で外に飛び出したとされた。遺体には争った形跡はなかったが、2体に頭蓋骨骨折が見られ、別の2体は肋骨を損傷、1体は舌を失っていた。さらに何人かの犠牲者の衣服から、高い線量の放射性物質が検出された。

要点を拾っただけでも、その異様さがわかるというものです。

裸足というのはすでに原因は特定されていて、極寒の中で低体温症に陥ると、人間はその生命維持のために体内温度を上げようとし、そのため外気(体感温度)との温度差を感じて「暑い場所にいる」ような錯覚を起こし、結果として服を脱いでしまうという「矛盾脱衣」を起こす。実際に亡くなった6人については、調査の結果、死因は低体温症であると結論づけられています。

しかし、この事件で問題となったのは残りの3人の死因。これについても引用するのが最も早いので、以下引用

5月に発見された4人の遺体の検死は事情が違った。彼らのうち3人が致命傷を負っていたのである。チボ=ブリニョールの遺体は頭部に大きな怪我を負っており、ドゥビニナとゾロタリョフの両名は肋骨をひどく骨折していた。ボリス・ヴォズロジデンヌイ博士 (Dr. Boris Vozrozhdenny) は、このような損傷を引き起こす力は非常に強いものであり、交通事故の衝撃に匹敵するとしている。特筆すべきは、遺体は外傷を負っておらず、あたかも非常に高い圧力を加えられたかのようであったことと、ドゥビニナが舌を失っていたことであった。当初、先住民のマンシ人が、彼らの土地に侵入した一行を襲撃して殺害したのではないかとする憶測も流れたが、現場に一行の足跡しか残っておらず、至近距離で争った形跡がないという状況から、この説は否定された。

つまり、3人については「理解できない」死に方をしているというのです。しかも、致命傷を負っていたにもかかわらず外傷がない。ということは誰かと争ったわけではなく「なんだかよくわからない」けど「強力な力でもって死んだ」ということであって、専門家の報告では「自然の力」というような極めて曖昧な表現にされています。

さらには数名の被害者の衣服から高い線量の放射性物質が検出されたということも相まって、ますますミステリーな事件、ショッキングな事件となったのです。

当時の「ソ連」というは、鉄のカーテンの向こう側であって、その多くは僕らには謎でした。はっきり言えば今でもロシアって謎な部分がたくさんあるような気はしますが、昔のソ連の「その謎さ加減」たるや、ちょっとしたオカルトチックなレベルで謎でした。一体全体ソ連ってのは、その内部で何が行われているのかがよくわからなかったのです。

しかも今のようにネットなどない世界。誰がなにを行っているのか、個人がどう考えているかなんて全くわからないそんな時代。

それがこのミステリーを生んだような気が僕にはします。今の時代ならこの9人は「確実に」スマホを持参して山に行ったことでしょう。この山に電波が届いているのかはわかりませんが、もしも電波が届いているなら、電話やSNSで状況は即時に共有されます。なにが起きたか、起こっているのかも即座にわかる。

スマホなら写真や動画も撮れるから、もしも電波が届いていなくても、記録を残すことができるのです。

ミステリーのほとんど全ては「なにが起きたのかがわからない」というのが「キモ」なのであって、その埋め合わせをするのがスマホ。今の新型肺炎でも大いに活躍しているこのスマホがあれば、あったなら、ディアトロフ峠事件はミステリーにはなっていなかったことでしょう。なにが起きたのか、おおよそのことはわかったのではないでしょうか。

逆に言うなら、今の時代にはミステリーはなかなか成立しないということ。

中国の今の状況下で、もしもスマホがなかったらどうだったでしょう?

おそらくはなにが起きたかわからないままで、新型肺炎も「謎の奇病」だったのではないでしょうか?そしてのちのちミステリーとして語られるのではないでしょうか?

ディアトロフ峠事件も、ひょっとしたら、真相は案外そういうことなのかもしれませんね。

 

 


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