札幌市の「手稲山口バッタ塚」で学んだ言葉

日本が新型肺炎で大騒ぎとなっている昨今。
アフリカでバッタが大量発生して、それがパキスタン方面に移動しているそうです。ニュースでもやってました。ソマリアやパキスタンなどでは国家非常事態を宣言したとのこと。

この地図を見るとその被害状況がよくわかります。

バッタってこれほどまでの長距離を移動できるのかと唖然とします。国連食糧農業機関(FAO)も「生活や食糧を守るため緊急の援助が必要」と訴えている状況。ケニアでは過去70年で最悪の被害となったとしています。

新型肺炎、インフルエンザ、鳥インフル、豚コレラ、オーストラリアの森林火災。

世界は今、なかなかに笑えない状況ですね。

 

さて、僕は上記のバッタのニュースを見て真っ先に思い出したのがこれ。

 

ちゃんと文字が見えるでしょうか?

 
札幌市とはいえ、場所的にはもうほとんど石狩市である新川の河口付近にあるこの案内板は、本当に偶然見つけたのです。海が見たいなどと言って休日に自転車で日本海に向かい、あちこち適当に走っていたところ興味深い道路発見!でも、自転車では行けない!というわけで歩いて行ったところにこの案内板があったのでした。でも、ここって、違う道を使えば自転車でも行けたんだとすぐに気づいてえらくがっかり。笑

そんな個人的あるある話はさておき、実に興味深かったのは、この案内板に書かれていたこと。

え?北海道にもバッタっているんだ!

これがその時の僕の正直な感想でした。というのも、北海道に来てからはバッタを見たことがなかったからです。仕事先でも「ここ(北海道)ってバッタ見ないですね」なんて話をしてたくらいですから。札幌はさすがの大都会で、田んぼも畑もなくて、だから虫の音も聞こえなくて、だから虫もいないんだなぁというような話の流れでそんな話もしてたのです。

だからこそこの石碑には驚きました。

しかも数年にも渡ってバッタの大群が農作物を荒らし回ったっていうんだから「エクソシスト2かよ!」ってな気分。

ちなみに、書いてある文字を一部抜粋すると

農耕が広く行き渡る前の北海道にも、 何十年かおきに飛蝗が発生したことを、アイヌの人たちは語り継ぎましたが、記録に残っている限りでは、明治13年に十勝に発生して、日高、 胆振、 後志、 渡島、などへ広がり、同18年まで農作物などに被害を与え、開拓に着手したばかりの農家に深い絶望感を与えたトノサマバッタの飛蝗は、最大規模のものでした。
明治政府は開拓農家を励まし、また飛蝗が津軽海峡を越えて本州へ進入するのを防止するために、当時のお金で年約5万円を支出して、飛蝗の駆除に努めました。
当初はアメリカ、ヨーロッバ、中近東で行われた防除方法を参考にし、捕らえた幼虫成虫等は穴に埋め、土で覆ったバッタ塚を各地に数多く造らせましたが、現在ではほとんど残っていません。

ということです。あとはこの塚の説明がされているのですが、ここでは割愛。

のちに偶然エドウィンダン・ダン記念館に行った時

 
館内を見学していたら、なんとバッタの話が出てきて「ああ、まさにあの案内板の話だ!」と思い出しました。動画ではこの案内板を紹介しようというような話をしてましたが、まだしてないですね。笑。今年は行きたいなぁ。

 

ところでこの案内板にはバッタの駆除に当時のお金で5万円使ったということが書いてあるのですが、じゃあ今の価値ではおいくら万円?と思い調べてみると、

当時の国家の歳入が大体7000万円くらいで、当時の1円の価値はというと、大体2万円くらいだそうなので…

なるほど現在の感覚では10億円なんですね!

バッタの駆除に10億円。凄いなぁ。けど国家財政的にはそんなでもないのか。これは案内板にも書かれていますが、津軽海峡を越えないように腐心したからこの程度で済んだのであって、バッタが津軽海峡を越えたら、とんでもない事態になってたかもしれませんね。非常事態宣言が出されていたかもしれない(当時はそういう概念があったのかは僕にはわかりませんが)。

バッタ怖い。

Youtubeのサバイバル動画などでバッタを食うなんてやってますが、農作物を荒らしまわるバッタは総じて激不味だそうです。つまり食えない。というか、食う前に僕はそもそも触れないっす(虫が大の苦手。なのに釣りはする)。あの筋ばったバッタなんてせいぜい腹の部分しか食えなさそうだし。

食えるなら、大群発生時にどうにかして食ってるって。

最後に、今回のタイトルについて、僕がこの「手稲山口バッタ塚」で覚えた言葉ですが、それはずばり

の字。「こう」って読むんですね。蝗害。飛蝗。なるほどバッタのことかと。案内文を読むまで知りませんでした。勉強になりました。こういうのはいいですね。

地名をいちいちアイヌではどうたらこうたらという看板はいりませんが、こういう案内板はとても大事。少し錆びてますので、定期的にメンテナンスして欲しいと思います。予算?

アイヌの看板なくせば、その分予算は出ますよ。

 

 

にほんブログ村 アウトドアブログ 散歩・散策へ
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ