年末年始はラルズ狸小路店の古本市が楽しみだったのに
もうなくなってしまったラルズ狸小路店。今は某パチンコ屋になってしまっています。
悲しいことですよ。もちろんパチンコ屋が云々とかいうつもりは一切ありません。ただ、ラルズ狸小路店が好きだったというだけのことです。実際、僕はかなり好きだったんですよね。一時期は頻繁に行ってたこともあります。もはや「通う」と書いた方がいいレベルで。理由は
「あまりにもレトロな昭和感」
今風の垢抜けた小綺麗なオシャレ感満載の郊外にあるショッピングモールもそりゃ確かにいいんです。垢抜けてるし小綺麗だしオシャレだし。特にトイレが清潔というのはすごく大事なことで、僕はおっさんですが綺麗好き。黄ばんだ便器より清潔感漂う便器の方がいいに決まっているのです(ちなみにエアータオルは自分ちに欲しいなぁと本気で考えたこともあります)。
けど、垢抜けていて小綺麗でオシャレな店舗からはノスタルジーは一切感じません。
その点、ラルズ狸小路店は、もう何から何までがレトロで昭和でノスタルジーだらけだったんですよね。
なんとなく傾いている感がある階段(もちろん僕の気のせい)
いかにも殺風景なトイレ(当然ちゃんと清掃してありましたよ)
どことなく暗い照明(計算されているのはわかってます)
無駄に多い階数(上階には何があるんだとワクワクするじゃないですか!)
狭いエスカレーター(2人並んで乗れないのは安全対策)
色あせた食品サンプルが並んでいる喫茶店(常連の憩いの場)
なぜか垢抜けないマネキン(でもスタイルは抜群)
年季の入っている店員さん(当然ベテランだから接客も安心)
わりと鮮明に思い出せるのは、それだけ僕が同店を好きだったからでしょう。ちなみに僕はスーパーの店内を見て回るのが大好きでして、どこかに行くと、必ずその地方のスーパーに入って店内を見て回るのが趣味となっています。店内のレイアウトやデザインがすごく気になるし、その地方の独自性が出てたりすると、もうワクワクします。特に田舎のチェーンじゃないスーパーにはときめきすら感じますね。惣菜コーナーや地元のメーカーなどの品揃えを見ると
日本は広いなぁ
としみじみ思います。本当に楽しいですよ。
話がずれてしまった。ラルズ狸小路店でしたね。
そのラルズ狸小路店では、年末年始に「古本市」が行われていました。僕はこれがもう好きで好きで。
札幌に来て最初の年末年始にはこの市の存在に気付いて、そして同店が潰れてしまうまで、年末年始はもう必ずこの古本市に通っていました。ざっと調べたところ、ラルズ狸小路店は2014年5月に閉店したのですが、すると少なくとも5回以上は通っていたことになります。というか、僕の記憶が確かなら、年間を通して定期的にこの古本市は行われていたはずで、そして見逃しがない限りは毎回行っていたはずなので、結構な回数通っていたに違いありません。
もう偏愛していたといっていいくらいに僕はこの古本市が好きでした。
忘れもせません。ラルズ狸小路店の8階で行われていたその古本市は、8階フロアのかなりの面積を占める形で行われていて、必ず僕にとっての掘り出し物があったんですよね。だから行くたびに必ず本を買ってました。ついでにフィンランド(国)の紹介コーナーや美容室、パソコン販売、占いコーナーなんかもあって、それらが古本でレトロ感満載のフロアに同居しているわけですよ。
もうたまらんなぁ。
行くともう確実に最低でも1〜2時間はいましたねぇ。あ、今回はこれがいいなぁ。お!こんなものもある。これは当時欲しかったんだよなぁ。やや、嘘でしょ!これが百円でって本気か?ちょっと最高じゃないか!
買った後は脇の階段のあるところでちょっと休んだり、カレンダーコーナーを冷やかしたり、あるいはフィンランドコーナーでムーミンだのに思いを馳せたりして。美容室には用がなかったので入りませんでしたが、一度くらいは占いコーナーで占ってもらってもよかったなぁ。パソコンは僕はApple信者だし。笑
僕以外にもわりとお客さんはいたので、そこそこ賑わっていましたね。本屋から始まる出会いなんてものは当然ありませんでしたが、さすがは札幌、子供を除いて幅広い客層でした。まれにカップルもいましたが、こんな古本に興味あるんだなぁと感心したのを覚えていますよ。
そんなこんな、いろんな思い出がありますが、個人的には古本市としては完璧というか、ああいう感じのところで古本市をやって欲しいなぁと本当に思います。
だから、この古本市がなくなって、本当に寂しいです。
例えば地下歩行空間でも古本市はやってるのですが、地下歩行空間自体が新しくて今風で小綺麗でオシャレなので、雰囲気的にいまいちなんですよね。古本自体も大事ですが、それを取り巻く環境も大事というか。具体的には「もっと昭和感をくれ!」と。
ああ、ああいう古本屋がどこかにないかなぁ。