カスパーハウザーの謎
カスパーハウザーをめぐる一連の騒動は、これぞまさにミステリーというにふさわしい、というか、ミステリーの中のミステリーとしか言いようのないものです。
なんの前触れもなくいきなり始まったこの騒動。
まずは発見時の顛末。
1828年5月26日、聖霊降臨祭が終わったばかりのバイエルン王国ニュルンベルクのウンシュリット広場(ドイツ語版)(Unschlittplatz)で16歳ほどの少年が発見される。身元などいくつか質問をされてもまともに答えられなかったため、少年は衛兵の詰所に連れていかれた。衛兵たちから筆談はどうかと紙と鉛筆を渡された少年は「カスパー・ハウザー」という名前を書いた。wikipediaより
もういきなりミステリーですよね。16歳とは書いてあるが、実際の年齢は不明。言葉も喋れず、ただカスパー・ハウザーという文字が書けただけ。彼は手紙を持ってたのだけど、その手紙についても宛先のヴェッセニヒ大尉は何も知らず。
今も昔もこの種のミステリーは人の興味を掻き立てられるようで、孤児の扱いを受けたカスパーハウザーの周りにはいろいろな人が群がり、そして検査をしたり教育をしようとしたり、「事実を探り当てようとしたり」するのです。
その辺りのエピソードは、割愛しますが、ある種ヘレン・ケラーの境遇と似ているような気もします。
けれど、僕個人としては、なんとなくではありますが、ヘレン・ケラーが自分の残された能力で世界を感じ取ってどんどん明るくなっていくのに対して、カスパーハウザーはその超人的な能力が薄れてどんどんどんどん人間らしくなっていくにもかかわらず、どす黒い雲が重く漂い一向に晴れない、そんなイメージを受けます。
結局その雲は晴れることなく、彼は2度も襲われて殺されてしまうのです。
なぜ襲われたのかは不明。犯人も不明。発見されてから殺害されるまでに彼が自分について語ったことは
・暗く狭い場所にいた
・おもちゃの馬を与えられた
ということだけ。暗殺されなければなぁ。しかし仮に暗殺されなかったとしても、どこまで真実に迫ることがきたのかはわかりません。これについては研究家が様々な研究を行っていますが、僕は
カスパー・ハウザー (福武文庫)
を読みました。この本の面白いところは、著者がカスパーハウザーと一緒に暮らしていたということ。これに尽きます。
学者らしい観察眼で、カスパーハウザーを観察して記録していて、資料としてとても面白いので、皆さんも一度読んでみてはいかがでしょうか。アマゾンなら手に入りますよ!ミステリーの謎解き本ではないのですが、バックグラウンドを知ることで、ミステリーもより深くなるのですから。
それにしても今の時代は、wikiである程度の情報が掴めるんだからすごい時代だなぁとつくづく思います。僕の若い頃は本を読むしかなかったからなぁ。ミステリーといえばご存知「ムー」。
カスパーハウザーもムーで知ったのです。僕にとってムーは本当に大きな存在ですよ。