事故物件に住んでいたことがあります

若い頃に一度、「事故物件」に住んでいたことがあります。

結論から言うと、ほぼ何もありませんでしたし、だから怖い目に遭った事もありません。あるいは僕が単に鈍感なだけで、実は何があったのかもしれませんが、僕はほぼ何も感じてはいませんでした。

ところで、僕が幼い頃に、極めて近隣で数年の間に立て続けに人が亡くなるということが起きました。もちろん全く持って関連性はゼロ、それはっきりしています。自殺2件と子供の事故死が1件。

霊がどうとか言うつもりは全くありません。そんな呪われた地とかでもないしね。

とても印象深かったのは、最初の自殺の件で、その亡くなった方が亡くなる前日に、幼い僕にチョコレートをくれたのです(商品名は覚えていません)。当時の僕は甘いものがものすごく苦手という変わった子供だったので「嬉しくないぁ」と子供心に思ったものでした。そして次の日、学校から帰ってきたら自分家の前にパトカーとか救急車とかが止まってて、僕はびっくり。僕んちに何があったんだ?と驚いていたらお袋が出てきて家に入ってなさいと。

自殺だと知ったのはだいぶ後からでしたね。

亡くなった方が住んでいたその建物はかなりあっさりと建て替えされました。

それから少しして、また自殺者が出ました。先の建物ではなく違う場所だけど、かなりの近所。その時は僕もすぐにこれは自殺なんだと知りました。なぜなら近所の友達が親から聞いた話を僕にしてくれたからです。そもそも友達の住んでたアパートの部屋の隣の部屋だったんです。なにせアパートだけに、他にも大勢の人が住んでいたので、それは取り壊さずにそのまま残ったのですが、なんと、そこに社会人となった僕が住んだという事なのです。

その部屋はずっと空き部屋だったので、すぐに借りることができたんですね。

僕は散歩好き旅好きであると同時にオカルトも大好き。その手の話も大好きで、そういう現象があるなら起きて欲しい、それを見たいと強く願っているにもかかわらず、ただの1度もそんなもの見たことがなかったのでして、その部屋を借りるとなったさいに

何かが起きたらいいな

と思う反面

どうせ何も起きない

とも思ってました。そして結論はというと、最初に書いた通りなのですが、2点だけ、それっぽいことを書いてみますね。

その部屋のトイレなのですが、壁に染みがあるのですよ。それがどこからどう見ても「ヒゲをはやした人」にしか見えないのです。今のように手軽に写真が撮れる時代ではないので、もちろん写真はないのですが、もうはっきりとそうでした。夜にトイレに入る時など

「やっぱり人だよなぁ」

と思ったものです。

もう1点は、夜に寝ているときに、壁に紐でかけていた鏡がなぜかいきなり落ちて寝ている僕の頭の脇に転がってきた事なのですが、紐は切れてないし、壁の釘は上向きに角度がついていて落ちないようになってるし「不思議だなぁ」と。

というわけで、この2点以外は何も起こることなど無く、全くもって穏やかに住んでいました。玄関のドアの鍵が若干緩くて、強引に押したり引いたりしたら簡単にドアが開きそうってくらいかな。笑

ちょっと脳内で当時を思い出してみました。これも脳内散歩ですね。というか、これは僕の中ではミステリーさんぽにしたいので、そういうカテゴリーにしておきます。